虎になって

虎になっていきる、虎になって眠る

NEOかわいい

書きたい事が溜まりに溜まっているけれど、書きあげて記事にするのはまことに面倒であると、しばらく何も書かなかったしっぽである。

この数週間で、裏側に立つ人間の貴さを教えてくれた「サカナクションのNFパンチ」最終回、心のバイブルと慕っていた「ロッキンユー!!!」の連載打ち切りといった2つの大きな壁を乗り越えた。鬱蒼とした重い日々の中、重い足取りで見たい映画を2本見て、ライブハウスに足を運び、素敵なアーティストさんを掘り下げる事で充実した日々を取り戻した。←イマココ!

 

何から書こうか、と考えた結果、もうNFパンチのサカナ屋のこと書いても古いかな、と思ったり(それでもゆくゆくは書くのだろうけど)、ロッキンユー!!!は最新巻まだ読んでないし、と言い訳したりする内に、ずっと書こうとしていた事を思い出した。これ書こう(ここでタイトル欄まで戻り、書く)。

 

題名を読んだ時点で察している彼女らのファンや、音楽に対して曇りない価値観をお持ちの賢人はブラウザバックをお願いします。

 

さて、今回はNEOかわいいバンドCHAIの「N.E.O.」についてレビューもどきを書こうと思う。この曲でこのバンドを見るのは、CHAIを知ったきっかけがこの曲であったというだけで、他意はない。このバンドの、なんだ、スローガンというか、それに含まれるNEOが曲のタイトルなのだから、この曲を通してCHAIを語っても、まあ問題ないだろう。

冒頭ドラムめちゃかっこいい。ハイハット、シンバルから入る形はかなり自分のツボなので、加点は多い。ビートの入りとかもスムーズというか、ガチャッとした後に入る分なんかよく聴こえる。ベースが入ってきて驚く、音が重い。シンセ、心地よく重い。なかなかクールだ。ギターはよい風味付けといった具合か、程よい歪みの上で軽やかに曲を導く良いアクセントだ。間奏に入ると音作りの重みというか、ズンとくる重さをよく感じられる。ガールズバンドらしからぬと言うと、誤解を生むかもしれないが、世間一般にイメージする、キャピキャピ系の女の子がチャットモンチーやサイサイ、今ではSHISHAMOなんかに憧れてバンド組んでみました、みたいなのとは、違う気がしてならない。その違いが音に現れている気がしてならないのだった。(別に例にあげたバンドが嫌いというわけでなく。チャットモンチー大好きですよ)

曲構成もイントロから歌を入れてきたり、それでいてまめに楽器を聴かせたり、途中ラップ調にしてみたりと、曲を最後まで聴かなかったり、最初の何十秒でスキップする人が多かったりする昨今の音楽事情を理解した上で戦略的に作ってるのか、と思わせる構造だ。プロなのだから当然と言われればそこまでだが、だいぶ若いバンドでここまで戦略的に作曲できるって、多分すごいのだろう。分からんけど。

バンドのコンセプトも、多様性を歌うことで最先端感を出しつつ、「この子っちよりは可愛いわ」と同性に思わせることで気持ちよくさせて、結果としてファンを獲得してきたように思えてならない。しっぽの勝手な想像だが、まあ賢い。「CHAIいい、かわいい」とかペラッペラの愛をモデルやらなんやらが語った暁には、お前顔ばっか見てるやろ、こいつらには勝ったとか思ってるだろ、などと邪推してしまう。でも、そんなモデルもターゲットの独りだとCHAI側は思っていそう、そういう話だ。正直CHAIはブサイク改めNEOかわいい方々が集まっているバンドなのだが、それでも自己陶酔の末彼女らを引き合いに出す(勝手に引き合いに出してるとか思い込んでるが)お前よりは賢いぞ、そこまで妄想をふくらませるしっぽだ。

そう、ここから核心だが、CHAIの4人、特に双子のお二人はなかなかにNEOかわいい。周りを見てもそうそう見つからない、もしかしたら自分の周りは恵まれているのか、そう疑う程度にNEOかわいいと思う。彼女らの音楽は戦略的で、音はかっこいい。でもコンセプトと顔面はどうしても好きになれない。かわいいにNEOは付かなくてよい。コンセプトはどうしても要らぬ妄想を膨らませ、彼女らを狡猾に見せる。今しっぽは、CHAIの曲を素直な気持ちで聴くことができないのだ。正直に言おう、彼女らが好きになれないのかもしれない。だいぶ前のMステ出演時にタモさんにタメ口で話したことなんかも、徹底したキャラ作りの上に成り立っているとか斜に構えて見てた。なぜならNEOかわいいから。コンセプトも。

そんなこんなで、彼女らは、ルックスより音楽そのもの、バンドとしての活動そのものを見るべきという、そうあるべき姿を全うしようとする理性と、いやルックスには勝てねえという欲望(これは欲望なのか?)とのせめぎ合いを生むバンドなのであった。

以上、中身までNEOかわいい腐りきった上、欲望に負けたしっぽでした。