虎になって

虎になっていきる、虎になって眠る

ナンバガとオルタナティブ

どうも、しっぽだ。

今年のRISING SUN ROCK FESTIVALを契機に彼らが再結成するというニュースは、解散当時ナンバーガールのナの字も知らなかった自分でも、大きなニュースだった。

自分がナンバーガールをしっかりと聴いたのは石川香織先生の「ロッキンユー!!!」を読んだ後なので、すぐ最近の事だ。17年前に解散したバンドを知る機会をくれた「ロッキンユー!!!」は、確かに絵は汚いがそんな事は気にならないほど熱い。現実のバンド名も出てきて、ただただ面白く、熱いだけでなく自分の音楽の幅を大きく広げてくれた漫画でもあり、バイブルと言ってもいいかもしれない。4月に新刊が出るので、その時改めて記事にしたい。今回はナンバガオルタナだ。

便利な時代で、ストリーミングやYouTubeですぐに曲が聴ける。どんなアーティストでも全力で演奏している筈だ。でも、彼らから滲み出る魂を燃やす感じというか、行き急ぐ感じというか、それらの圧は今までに無いものだった。爆音で鋭く鳴るギター。アホみたいな手数のドラム。ゴリゴリ主張するベース。何言ってるか分からんけど熱く叫ぶ向井秀徳。彼の名前は林檎嬢を通して冷凍都市おじさんとして知っていた(失礼が過ぎるものの、事実だ)。それぞれのバンドパートのイメージが大きく変わった。ドラムとベースは曲を支えて乗れるリズムを生み出す。そこにギターとボーカルが鮮やかにメロディを加え、いい曲にする。みたいな教科書通りの演奏ではない。全員が主張して、全員が生きる。その日がしっぽの爆音童貞卒業記念日になった。YouTubeでラストライブの映像を見ていたら、何も知らない筈なのにうるっときた。訳がわからない。でもかっこいい。その時の彼らはかっこよく燃えきっていた。

その後もギターは田渕ひさ子さんっていうのか、小柄なのに凶暴な音だな、世界一かっこいいんじゃないか好きだ、と思ったり、日本を代表するようなロッカーを冷凍都市おじさんなどと認識していた過去の自分を殴りつつこんなに熱いロックを見せてくれるのかと感動したり、中尾さん苦労しすぎだろ生肉を食べるってなんだと思ったり、いやアヒトさんのドラム音の抜け感というか、尖ってるのに心地いい感じってなんだよとか思ったりとナンバガを堪能する日々をすごした。

 

その過程で、オルタナティブロックという言葉を知った。

オルタナティブは代替の、とかって意味だったよな、いやこの人達は替わりがきかんだろなどと思ったものだ(商業ロックとの区別だと知ったのはもう少し後の話だ)。今回書きたかったのはナンバーガールってかっこいいよなとか当たり前の事ではなく、このオルタナティブってなんぞや、という疑問を投げかけたく思い筆を執った訳だ。嘘ついた。ナンバガも書きたかった。溢れ出てきた。

Wikipedia先生はざっくりと、売れ線から外れたアンダーグラウンド的な精神を持つ音楽シーンだとしている。コトバンク先生も概ね同じだ。

何にも説明になってないわ。その程度の括りで良いのか、音楽を知らない人間からしたら、ただただナンバガの魅力を分かりにくく曇らせて、足を遠ざけているだけでないか、と思った。

音楽ジャンル、特にロックのジャンルはそれはもう細分化されているのだが、ただ聴くだけのしっぽからすると訳がわからない。今聴いてるロックを、ふむふむこれはポストメロコアだなとか考えてる人いるのかな。少なくともしっぽは考えなかった、というか無知だったから考えられなかったのだけれど、多少分かった今でも全く考えない。グっとくるか否かの感性(まあこの感性は他人からすると更々当てにならずセンスを微塵も感じさせないわけだが)だけを頼って音楽を、ロックを聴く。とても楽しい。若手だろうがベテランだろうが、ギターが激しかろうが爪弾くように穏やかであろうが、いいものはいいのだから。かっこよければロックでしょう。

こう考えると、これはあくまで持論だが、音楽ジャンルの細分化って必要ないのでは、という結論に至るのだ。訳分からん言葉の羅列が自分を、初学者を戸惑わせた事実がここにあるから。肩を張らないで何でも聴く今が楽しいから。細かいだけでそこまで丁寧にジャンル分けされてないから。例えばフレデリックwikiページを見ると「ジャンル:ロック」となっている。いやおい適当か。とまあこんな具合だ。

今までにポップしか聴いてこなかったけどロックとかも聴いてみようかな、とか考えた方にはジャンルとか気にせず聴いてほしいと思うしっぽであった。